この宇宙が二次元のホログラムであるという証拠が見つかる


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この宇宙全体が二次元の平面から投影されたホログラムであるという「ホログラフィック原理」を裏付ける観測データが発見された。

英国、カナダ、イタリアの物理学者と天文学者チームが発表した。論文は物理学専門誌「Physical Review Letters」に掲載された。

プランク衛星による観測データから宇宙背景放射(CMB)のゆらぎを精密に分析した結果、CMBゆらぎはホログラフィック原理によって完全に説明できることが分ったという。

現代宇宙論の主流であるインフレーション理論によっても、CMBゆらぎは説明可能である。しかし、ホログラフィック原理を用いても、インフレーション理論と同程度には、観測データを合理的に説明できると確認されたことになる。

ホログラフィック原理によれば、宇宙(三次元空間+時間次元)に存在する実体はすべて、宇宙の境界にある二次元平面に保存された情報が投影されたものとして説明される。

それはフィルム上に記録された干渉縞の模様にレーザー光を当てるだけで完全な立体映像を再生できるホログラフィー技術とよく似ている。通常のホログラム映像と違うのは、ホログラフィック原理で再生されるのはこの宇宙全体であり、映像として見ることができるだけでなく、実際に触ることのできる実体をもっているということである。

■ブラックホールとホログラフィック原理

ホログラフィック原理は、ブラックホールに吸い込まれた情報がどうなるのかという物理学上の論争の中から生まれた理論である。

スティーブン・ホーキングは、ブラックホールが最終的に蒸発して消えるとき、ブラックホール内部に吸い込まれた情報もこの宇宙から完全に消滅すると予想した。しかし、この考え方は、「すべての情報は保存される」という物理学の原則に矛盾するものだった。

トフーフトとサスキンドはこの矛盾を解決するため、ブラックホールに関する新しい理論を提示した。その理論によれば、ブラックホールに物体が落ちていくとき、その情報はブラックホールの内部ではなく、ブラックホールの境界平面上に保存される。このように考えることで、ブラックホールの蒸発によって情報が完全に失われるというパラドックスを回避することができる。

その後、ジュアン・マルダセナは、AdS/CFT対応と呼ばれる原理を発見し、高次元の反ドジッター空間に関する理論がより低次元の場の理論と数学的に等価であることを示した。この発見によって、ブラックホール内部の世界は、ブラックホールの表面に保存された情報によって完全に記述できることが理論的に裏付けられた。

「宇宙全体が、二次元平面に保存された情報の投影である」と考えるホログラフィック原理も、この理論から導き出されたものである。

つまり、わかりやすく言えば、わたしたちのいるこの宇宙全体が、巨大なブラックホールの内部にある――とみなすことができる、ということになる…。

Study reveals substantial evidence of holographic universe
From Planck Data to Planck Era: Observational Tests of Holographic Cosmology

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